お盆供養

令和4年8月13日~16日、本年度も感染症流行を受け、内献でお盆のご供養を勤めさせていただきました。

良い機会ですので今回は、お盆供養の由来について、お話させていただきます。

お釈迦様の弟子「目連尊者」は神通力で自らの亡くなった母が”地獄(餓鬼道)”に落ちていることを知ります。餓鬼道とは、「生前、欲深く食べ物に卑しい人が落ちる地獄」とされており、常に癒えることのない、飢えと渇きに苦しみ続ける世界です。

そんな地獄にいる母を何とか救ってあげたい目連尊者がお釈迦様に相談したところ、「(旧暦の)7月15日(現在の8月中旬頃)に沢山の僧侶に食事を施し、法要をあげてもらうことであなたのお母さんは餓鬼道の苦しみから救われるでしょう。」と言われます。

目連尊者は、お釈迦様から言われた通り、僧侶たちに食事を施し法要をあげてもらうことで母親は極楽浄土へ導かれたのでした。以上が、お盆供養の由来となります。

この時に施した食事は餓鬼道に落ち、飢えに苦しむ人々でも食べれるような薄味で優しいものばかりでしたので、現在でもその仏膳の中身は柔らかく食べやすい温麺汁や薄味の煮物等を當山ではお上げしております。

お檀家様には事前にお寺のほうでご供養させていただいた供養幡をお配りいたしました。

8/13∼8/16までの間、毎日夕方にお盆供養をお勤めさせていただき、年に一度帰ってこられるご先祖様方をご供養いたしました。

昨今、お盆の際の迎え火・送り火やキュウリとナスで作る精霊馬も時代の流れか見かけることも少なくなりました。時代の流れの中で形が変わっても、ご先祖様を思い、感謝する機会として私たちも日々、柔軟に精進してまいりたいと思います。